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今帰仁城(なきじんぐすく)で、沖縄の祭祀文化と戦争の実体験を聞きました。

今帰仁グスク
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今帰仁城(なきじんぐすく)で、沖縄の祭祀文化と戦争の実体験を聞きました

■今帰仁城跡の地図

2019年6月に、本部の備瀬崎でシュノーケリングを楽しんだ後、今帰仁城(なきじんぐすく)に夫婦で行きました。

今帰仁城跡
《写真》今帰仁城跡

今帰仁城(なきじんぐすく)

今帰仁城というのは13世紀末から築城がはじまり、14世紀に琉球王国以前に存在した北山の国王、北山王(ほくざんおう)が住んでいた、居城(きょじょう)です。国の指定文化財で、ユネスコの世界文化遺産にも登録されている大変貴重な場所でございます。

ちなみに沖縄では、

太陽が上がる意味で、「東」のことを”あがり”と呼びます。

名護の地名に東江”あがりえ”があります。

太陽が沈む意味で、「今」のことを”いり”と呼び、

今帰仁は太陽が沈む、意味が含まれています。

解説:ガイドの仲嶺さん

この今帰仁城には各所に拝所があり、祭祀(さいし)をつかさどる“ノロ”という女性が拝んでいた“神ハサギ“の場所があります。ノロなどの神人(神んちゅ)は尚真王(しょうしんおう)の時代に確立されたとされています。聞得大君(きこえおおのきみ)が頂点で、ムラやシマの祭祀をつかさどる神役(かみやく)がノロで、現在も存在しているそうです。

ノロとは、

ムラやシマの祭祀をつかさどる神人

日本のお城でいう本丸にあたる、主郭(しゅかく)に、火の神をまつる祠(ほこら)もあり、太陽の神が守護してくれる意味もあると聞きました。権力者が中心というより、神様が中心に考えられているのだなぁと感じました。

・城(グスク)とは、
「ゴ」、ご琉球の古い言葉で石の意味
「シキ」、神様のいる聖地を示す意味
が合わさってできた言葉と考えられています。
もともとグスクは、城ではなく、石で囲まれた聖地だったようです。
参考:旺文社 沖縄地方のふしぎ文化

今帰仁グスク火神
《写真》火神

沖縄にはそういった霊的な力をつかって王国の守護のために祈っていた女の人がいるというのは今帰仁城の資料館で知るまでは、
あまり知らなかったのですが、

ユタという霊的な能力をもつ民間の女性が沖縄にいることは知っていました。

わたしが関西にいたときに知り合った女性から聞いたことがありました。

そのひとは沖縄県の出身で関西に移住してきた人の話です。
「主人と私の関係で悩んでいるときにユタに見てもらって、前世でわたしと主人は親子で私が母親で、主人が子供だったの。私がその前世で子供を捨てたことがあったので、現世ではそのお返しをしなくちゃいけないって言われて、だから本当に主人は、まるで子供のようになんにもできないから困っていたンだけど、その話をきいて腑に落ちたのよね~」とかいう話を聞いたことがあって知ったのでした。

今帰仁グスクの無料ガイド

今帰仁城の入り口で、無料ガイドをしていると聞いたので、ガイドをお願いしました。
すると健康的なご年配のおじいさんに、今帰仁城や、琉球王朝の歴史をくわしく教えてもらったりしたのでした。

貴重な戦争体験談

その方の名前は仲嶺さんといって、ご自分の戦争体験なども、近くの小学生などにお話をするボランティアをされているとのことでした。年齢を80歳ときいて驚きです。とても元気で素敵な方でした。

印象的だったのは、沖縄大空襲でまだ小学生だった仲嶺さんは小さな弟を背負って、毎日のような空からの襲来に自然にできた洞くつの「ガマ」と呼ばれる防空壕に行ったり来たり、逃げ回っていたとのこと。
途中で、母親と弟と、離れ離れになって、アメリカ兵に連れていかれた母親たちと再会するために、一人でいろんな荷物を背負って暗い夜道をおびえながら歩き、無事に母親と再会したときには、いろんな感情が爆発して二人で大泣きした話など、とても経験者でないと語れない、リアルな沖縄の戦争の話をしてくれました。

沖縄の島人(しまんちゅ)精神

そんな苦労がありながらも、沖縄の人は戦争をうらんでいない、アメリカ人も恨んでいない、困った人がいたら助け合う、“ゆいまーる”、“ちむぐぐる”の精神があるから尊い財産をみな心に持っているんだと仲嶺さんがおっしゃっていたのがとても印象的でした。

「ちむ」は肝や胸、こころの意味。

沖縄ではうたや詩でよく見られます。

物質的な財産より、心の中に財産があるというのは、とても強い人になるんだろうなぁと感じたのでした。また聞いた話によると、沖縄の人は先祖をとても尊び、お墓の前で子孫たちがあつまってにぎやかにご飯をたべるシーミーという行事も、なんだかとてもあたたかく感じたのでした。

大きな心はこうやって子々孫々に継承されていくんだろうと思いました。
わたしもそんな本当に自分が困っているときにも、手をさしのべられるような強い人間になりたいなあとお話を聞いて感じたのでした。

仲嶺さん本当に今帰仁グスクのこと、沖縄のことを教えていただきまして、ありがとうございました。

《写真》仲嶺さんとぼーさん

次に、今帰仁グスクと併設されている資料館に行きました。

こちらもおすすめなので時間に余裕のある方は見ておきましょう。

■今帰仁村歴史文化センター

今帰仁城には立派な資料館もあります。ノロの装飾品として身につけられた本物の大きな勾玉(まがたま)が展示されているのと実際のノロの写真などみて、身体にビリビリと振動が伝わるのも感じました。勾玉は大和にしかないものと思っていたので意外な気持ちもありました。

勾玉(まがたま)
《写真》本物が展示していて神聖な気持ちになります

資料館では、今帰仁の歴史や、ムラやシマについて学ぶことができます。

ここでノロのことの詳しい資料なども見ることができるので、沖縄の神秘的な歴史に触れたい方は是非時間をとって廻ってみてください。

わたしたちが行ったときは、沖縄のあまり知られていない、沖縄から海外に移民した歴史の展示もしていて、つくづく沖縄の歴史は大変だったのだと勉強になりました。
資料館で気づいたら1時間くらいすぐ時間が経つので、昼過ぎから今帰仁グスクに来て、あっというまに閉館時間になりました。

沖縄は悲しい歴史が多いけど、
人のやさしさは受け継がれている、
そんなこころが洗われる、こころが成長させられる、ことが学べる聖域な場所でした。

《写真》陽射しが半端なくきつい・・・。

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